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サングリア開発記
園主の妻である私自身はワインが大好き。濃厚で力強い果実味も、タンニンによる渋みも全てを味わい尽くしたいので、ワインはワインとして飲むことが一番美味しいと思っています。一方で、既製品のサングリアは、ワインの特徴を失ったジュースのような甘い味のものが多く、ワイン感もフルーツ感もあまり感じないので、ワイン好きな人はまず飲まないものだと思っていました。サングリアって大体こういうものだよね、という頭でドライフルーツのサングリアを飲み、全く別のものというぐらいの「驚き」を感じた2月。この味は、ワインが大好きな人が喜ぶ味に違いない、そしてワインの味が苦手っていう方も美味しいもっと飲みたいと思ってもらえる味なんじゃないかと直感的に感じて商品化を目指すことに。
それから5か月余り。ほぼ毎晩、素材を変えたり配合を変えたりしたサングリアを飲みました。酔っ払って、冷静に比較できているのか不安に感じつつも、ベースとなるリンゴの量、柑橘の種類、仕入れのタイミング、カットの形、乾燥具合、スパイスやパウダーの配合、個性や驚きを生み出す素材の可能性、パッケージの挫折…。試作品を作ってはあらゆる方面のプロの方にご意見をいただき、またちょっと変えては夫婦で頭を抱え、素材でこんなに趣きが変わるのかと勉強の日々…。アドバイスをくださった皆さま、本当に本当にありがとうございました。
ワイン好きの私がどうしても譲れなかったのは、甘さを足して安易に飲みやすくしたり、ワイン特有の渋みや重さを消すことを主眼にせず、ワインの美味しさとフルーツの美味しさをとことん融合させることでした。飲み残したワインでももちろん美味しいけど、わざわざとっておきのワインを買ってでも飲んでみたい新しい概念のサングリアベースができないか。ドライフルーツの力を信じて、飲める人も飲めない人もお酒の席が共に楽しいものであるように、イメージを膨らませてようやく完成に至りました。
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